アミロイドPET

 エーザイとバイオジェンが共同開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」をアメリカのFDA(食品医薬品局)が承認しました。アデュカヌマブはアルツハイマー病の原因とされているアミロイドβの脳内への沈着を減少させる治療薬です。これまでは対症療法の薬のみでしたが、根本的な原因を除去するという治療薬は初めてです。アルツハイマー病の新薬承認は約18年ぶりとなる快挙です。ただし、市販後に有効性が確認出来なければ、承認の取り消しもあり得るという条件付きですので、1年後とかに却下される可能性は残りますし、日本では現在承認審査中であり、実際に使用出来るかはまだ不透明ではあります。

 しかし、今回のFDAでの承認を受けて日本でも承認となる確率は上がりましたし、このアデュカヌマブがアルツハイマー病の患者さんの一部には大きな望みになることでしょう。

 アミロイドβの沈着を可視化した検査が「アミロイドPET」です。PET検査の主流はFDGと呼ばれる糖分に似た薬を使い、癌を調べる検査でした。アミロイドβをターゲットとした薬を用いてPETの画像を撮像するので、脳内のアミロイドβの沈着が判断出来るのです。

 アデュカヌマブはアミロイドβの沈着を除去する薬ですから、アミロイドβが本当に沈着しているアルツハイマー病の患者かどうかというのが治療効果を見極める肝になります。そこでアミロイドPET検査にてアミロイドβの沈着を調べておくというのは理にかなっています。アデュカヌマブによる治療前後でアミロイドPET検査の画像を比較することで治療効果を判断する指標になるかもしれません。アルツハイマー病を発症する10年以上前からアミロイドβの沈着があることから今後アルツハイマー病になるかのリスクを知るためにもアミロイドPET検査は有用と考えられています。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です