コロナワクチン接種とPET検査

最近コロナワクチン接種のPET検査への影響を聞かれることが多いので記載します。

副作用など有害事象としての影響はありません。ワクチンとPET検査薬(FDG)は全く相互作用ありませんのでご安心下さい。

画像への影響ですが、接種後直後からしばらく(一週間程度)は接種部位の三角筋内に淡い集積が出ます。しかしこれはまず病変とは考えませんから問題ありません。

問題になり得るのが腋窩リンパ節(脇)です。最近自分も2週間前後くらいまでは接種部位近くの腋窩リンパ節に集積する症例をかなり経験しています。インフルエンザワクチンでも同じように見えてましたから「やっぱりな」という感じで読影していましたが、先日「婦人科腫瘍学会」から「乳癌に対してはワクチン接種後、可能であればPET検査を4から6週間控えるように」と注意喚起が発表されました。

つまり、ワクチン接種後一ヶ月後くらいまででPET検査をした場合、腋窩リンパ節に集積してしまい、これがワクチン接種によるリンパ節の反応(免疫が出来ている最中)と考えるが、乳癌のリンパ節転移と区別出来ないということです。

乳癌の既往の無い方ならまず反応性で問題ありませんが、乳癌治療後もしくは乳癌精査中の方ではリンパ節転移でもおかしくないとなり、PET検査によって悩みが増えてしまいます。

ワクチン接種とPET検査のタイミングについて個人的には、

1.乳癌の既往のない方は、接種後の体調不良のみ気を付けて頂き、好きなタイミングでPET検査を。

2.乳癌の既往のある方、乳癌治療中の方は、腋窩リンパ節転移を完全には否定出来ませんから、可能であればワクチン接種後一ヶ月以上空けてからPET検査、もしくはワクチン接種前にPET検査を。

3.乳癌の精査中で、腋窩リンパ節転移はおそらくあると考えられ、遠隔転移を調べたい方は、ワクチン接種関係なく早めにPET検査を。

以上でオススメします。

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